防水工事前に行うケレンとは？

防水工事前には「ケレン」と呼ばれる作業を行います。ここでは、ケレンとはどういったもので、なぜ行うのか紹介します。手順や種類についてもまとめました。

防水工事前にケレンを行う理由

ケレンとは防水工事を行う前に施工部分の汚れなどを落とす作業のことをいいます。防水工事の際だけではなく、シーリング工事などでも必要です。
ケレンでは、表面の汚れだけではなく、サビなどもしっかり落とさなければなりません。

ケレンを行う大きな目的は、その後に行う防水工事の効果を十分に高めるためです。事前にケレンを行っておくことにより、新しく作る防水層をより強く密着させることができます。

防水工事前にケレンを行う手順

防水工事前のケレンはどのような形で行われるのでしょうか。手順を紹介します。

現地調査

現地調査を行い、現場の状態を確認します。どの部分にどういったケレンが必要になるか見極める作業です。

スクレイパーで汚れを落とす

スクレイパーとは、刃がついたヘラ状の道具です。施工する部分についた汚れや錆などをこすったり、削ったりして落とします。古い塗料剤を剥がす際にも使われるものです。

ハンマーで汚れを落とす

場合によっては「ケレンハンマー」と呼ばれるものを使って汚れを落とします。ハンマー部分の両側がそれぞれ縦刃と横刃になっているのが特徴的な道具です。サビやバリなどを叩いて落とす目的で使用されます。

ヤスリがけ

特に金属面に塗装を行う場合、ツルツルの状態では塗料が密着しません。そこで、目荒らしの目的でヤスリがけをします。

防水工事前に行うケレンの種類

ケレンには、大きく分けて4つの種類があります。

1種ケレン

腐食がひどい場合に行われる方法です。酸洗浄やブラスト法などを用いて塗料や錆、腐食を徹底的に落とします。作業は複雑で費用もかかることから、行われることは少ないです。
場合によっては1種ケレンできれいにするよりも交換した方が安く済むこともあります。

2種ケレン

サビを除去する目的で行われるケレンです。特に塗料が劣化した場合はサビが発生しやすく、2種ケレンが必要になることがあります。1種ケレンほどではありませんが高額です。

3種ケレン

手作業で劣化が進んでいる部分のみを除去する形です。1種、2種と比較して安く済むので、よく行われています。

4種ケレン

簡単な汚れの除去で済むような場合に行われる種類です。掃除や目荒らしを行います。